メバル　　　　　　　　　　　　　　　　　　

たった今釣りから帰ったところ。

魚ッケ（毛）無しのボーズ（坊主＝釣果ゼロ）。

昨日の朝のこと、

市営地下鉄に乗ってふと前を見ると知人。二人同時に「ヨー！」。通勤客で混み合う中、身振り手振りの釣り談義。話に熱が入り二人とも我を忘れていた。まわりが急に空いてハッ！と気づくともう降車駅。二人はあわててホームに降りてサラリーマンに変身。それぞれ勤め先へ。

良い気分だった。駅で分かれて以後、車中の話を思い出しつつ会社までトツトツ歩く。

彼は言った。

釣り物の少ないこの季節はイライラしてもダメである。釣れなくて元々(もともと)。のんびり乗合（遊漁）船に乗ってメバルがガシラでもねらうがよろしい。俺は先日、鹿ノ瀬の高倉瀬）あたりだったろうと思うが乗合船で出てこんな大きな（両手間隔約三十センチ ）メバルを釣った。

「竿（さお）先がバタンバタンするやんか。船頭が『まだ上げたらあかん！がまんせぇ、がまんせぇ』言いまっしゃろ。追い食いや、追い食いや、ズラ〜とメバルが付いとるがな。こんなんでっせ」と、彼。

「針は何本付けたの？」と私。

「七本か八本」と彼。

で、ああだこうだと車中生きエビ餌つけの研究会。結論は、エビ餌付けは面倒だ、サビキ釣り（連結疑似餌釣り）にかぎるとなって意気投合し二人一緒にワッハッハ。　　　　　　

猫皮サビキでメバルを大釣りしたのは一昨年春のこと。アッという間に八十数匹。

昨日の車中研究会以来、このときの大釣りメバル感覚が“さぁ俺の出番”と腕まくりの感じ。　　　

あぁじれったい。もう気が狂いそう。メバル・メバル・メバル。